鼻気道障害(鼻中隔彎曲症、蓄膿症やアレルギー性鼻炎などの鼻閉、アデノイド増殖症など)があると、それが片側性であっても口呼吸は発生し自覚のない場合も多い。
口呼吸が歯並びに与える影響は大きく、それが鼻気道障害に起因する場合は、その関連性と完治させることの重要性を耳鼻科医がちゃんと認識してくれているかが矯正治療の鍵を握っていると言っても過言ではない。
ご存知のように鼻気道障害の治療は耳鼻科で医科、矯正治療は歯科ということになり、相互理解の元、1人の患者さんのために医科と歯科が協力体制を敷いて治療に当たっているケースは殆ど見られないのが現状である。
矯正歯科の世界では以前から歯並びと呼吸の関連性は報告されてきたが、近年、口呼吸により咀嚼筋の活動電位(筋肉を収縮させる力)が低下して下顎が下垂し、時計回りに下顎が回転する現象が起こり、このことにより下顎が後退し前方成長が得られなくなることから、顔貌(顔つき)が鳥貌と呼ばれる鳥のような顔貌に変貌していくことがわかってきた。後天的な要因が成長に多大な悪影響を及ぼすのである。
当院は耳鼻科の協力が得られているため
このように状況を把握した上で矯正治療に臨める
耳鼻科のご協力(治療だけでなく、鼻腔通気度測定や内視鏡写真やCT画像提供など)で数多くの矯正患者が救われることになる
内視鏡画像
鼻腔通気度データ
提供されたCT画像で鼻閉の状態がハッキリと把握できる
写真左の副鼻腔(上顎洞)に注目
上顎洞粘膜の肥厚(ハイパープラジア)か?
軟組織(顔)の左右形態まで影響を受けてるように見える
鼻腔の大きさが左右で極端に違う
ではこの患者の顔面写真と口腔内写真を見て、鼻気道障害がもたらす悪影響についてお見せしたい。
顔面写真 口の周りの筋肉は口呼吸により弛緩している。
口呼吸により下顎の発育不良で口元がとがった鳥のような顔つき「鳥貌」になる
首が前傾し顎が突き出て猫背になりやすい
口元のアップ写真、口は緩みきって開いている。
口腔内写真
口呼吸により歯肉が腫れ上がっている。
下顎が下垂し、下顎の前方成長が得られないため
下顎の劣成長に起因する上顎前突が発生する。
口呼吸は喉の気道を開けようとして舌を前に出す舌癖も発生させ、口は開いているので唇の筋力はかからないため歯を外に押し出す!
また、これらにより ある程度出っ歯になってくると、下唇を咬む癖「咬唇癖」も必ずといっていいほど引き起こし、更なる厳しい上顎前突(明石屋さんま状態)を招く。
鼻気道障害に気付かず、放置したり、耳鼻科が完治させる努力を怠り慢性化させることで、歳を取るごとに上顎前突は悪化の一途をたどる。
このようなケースを、矯正歯科だけで治すことなど不可能だと僕は思う。
治療中も困難を極め、仮に治せたとしても、術後に必ず崩れる
片側性の鼻閉やアデノイド、鼻中隔彎曲の場合、自覚がないことが多いため、低年齢からの耳鼻科検診を行うことで、早い段階で鼻呼吸を確立させることが、顎口腔系の健全な発育に大きく貢献できるものと確信している。
親の怠慢で不正咬合を発生させることだけは避けねばならない
在りし日のマイわんこ「武蔵」
ソファーにポイポイ衣類をかける癖のある僕(^_^;)
散らかしててごめんなさいm(u_u)m
幼い頃のマイわんこ「武蔵」
音波歯ブラシソニッケアーは気持ちいいよ~