これは、「口元の表情筋トレーニング」という本からの引用です。日々繰り返されている「噛む」という動作。ものを食べるために欠かせないことですが、噛むときにどのくらいの力がかかっているかご存知ですか?答えは最大で体重の2~3倍。かたいものを噛み砕こうとするとき、これだけの大きな力が必要なんです。
噛むことは、食べ物を小さくして飲み込みやすくし、胃の消化を助けるのが大きな仕事ですが、働きはそれだけではありません。噛むという刺激によって、顔全体の骨を丈夫にしたり、脳を活性化したり、「おいしい」という喜びを感じたり・・・。単なる食べ物を胃に入れる準備ではなく、からだ全体に変形と活力を与える大切な行為なのです。
ところが現代人は昔と比べて、ものを噛まなくなってしまいました。食べ物の加工技術が発達して、噛み砕かなくても食べられる食品が増えていますし、やわらかいもの=美味しいものという考え方が浸透しています。そんな軟食グルメ思考が、噛まない食事を助長しているのです。
過去と現代の食事を比較したある調査によれば、卑弥呼がいた弥生時代の食事1食で噛む回数は3990回、現代は620回という結果がでています。昔と現代では、噛む回数がじつに6分の1から7分の1にまで減っている計算になります。その結果、現代人は「噛まない」から「噛めない」へ変わりつつあります。
そんな憂うべき現状をフォローする強力なサポーターとして、オススメしたいのがガムです。ガムは味が無くなって捨てるまでに、平均550回噛むと言われているので、1回の食事にガム2粒(枚)分を加えれば、十分な咀嚼(そしゃく)回数に到達できます。もっとガムを日常生活のなかに取り入れて、上手にかしこく利用してみませんか?
ガムを噛むメリット1
脳の働きの活性化
体を動かすと、そのパーツを担当している脳の部位の血液量だけが増えることがわかっています。口と関係している脳の部位は広いため、口を動かすと脳の広範囲に、効率良く血流を高めることができ、脳の働きを活性化させます。
メリット2
記憶力がアップ
ガムを噛む前後の脳の様子を観察する実験によると、新しい記憶を取り込む海馬(かいば)という部位を活性化することがわかっています。ガムを噛むことで記憶力アップが期待できます。
メリット3
心身がリラックス
メジャーリーガーたちをはじめ、一流のアスリートがプレー中にガムを噛んでいるのをよく見かけます。ガムを噛むと血中にあるストレスホルモンを減少させる効果があり、緊張がとれて心身がリラックスするので、筋肉を伸びやかに動かせるというわけです。
メリット4
歯周病を予防
歯周病は歯と歯ぐきのすき間にできた歯周ポケットに細菌が繁殖することが原因で起こる病気。口内を清潔に保つのは大前提ですが、ガムを噛んで抗菌作用のある唾液の分泌を促すことは、歯周病の予防にもつながります。
メリット5
生活習慣病を予防
軟食グルメ志向や早食いは、よく噛まずに食べてしまい満腹感が得られないため、過食になりがち。過食による肥満は、生活習慣病を引き起こすハイリスクです。ガムによって噛む習慣をつければ、過食を防ぐことにつながります。
メリット6
ダイエットのあと押し
食べ物を噛み始める、脳内では神経性ヒスタミンという科学物質が大量に作られます。この物質が作動すると満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防いでくれます。また、神経性ヒスタミンには全身のエネルギー代謝を促す働きがあるので、脂肪の燃焼をあと押し。まさにダイエットには一石二鳥なのです。
メリット7
フェイスラインをシェイプ
顔の筋肉のおよそ7割は口のまわりに集中しています。ガムを噛むことで口のまわりの筋肉を刺激すると、周辺の頬やあご、首などの筋肉も刺激され、フェイスラインを引き締めたり、肌にハリをもたせます。
おまけで在りし日のマイわんこ&幼い頃のマイわんこ