矯正専門医がどんな風に治療してるか?ご紹介してみたいと思います。(矯正用マイクロインプラントを使わずに使用する場合)
上下4番目の歯を抜歯して治すケース
術前のかみ合わせ(出っ歯)と術後のかみ合わせ
STEP1
下の4番目の歯(左右)のみ抜歯して上はそのまま並べていく
上は早く抜きすぎると奥歯が前へズレやすい
STEP2
下にもワイヤーを通し上の歯列に太いワイヤーを通せるまで並べたら、上の歯列を一塊に固定して、そこから下のワイヤーに顎間ゴム(上下の顎にかけるゴム)をかけて、下の小臼歯から大臼歯が前の傾いてるのを起こしていく(出っ歯の人は小臼歯から大臼歯が前に傾いている傾向がある) 下の図ではゴムに引っ張られて歯がまとめて起き上がっていってるのが解る。
STEP2
下の図では奥の3本(小臼歯から大臼歯)が完全に起き上がっているのが解る
STEP3
下の犬歯をバネ(オープンコイルスプリング)(押すバネ)を使って後ろ(遠心と呼ぶ)に押して移動させている
STEP4
下の犬歯が後ろ(遠心に)移動すると前歯部に隙間が出来てくるので、これをワイヤーにクローズドループと呼ばれる(鍵穴のような形をしてるのがそう)屈曲を入れて閉じたループを広げて隙間が閉じる力を加えていく。これで前歯にできた隙間は無くなる。
STEP5
今度は上の4番目の歯を抜歯して、まず顎間ゴムを使用して大臼歯の位置を正常化させる(この作業は必要ない場合もある)
STEP6
上の前歯(犬歯まで含めた6本)をクローズドコイルスプリング(引っ張るバネ)と顎間ゴムを用いて、まとめて後ろに下げる(出っ歯が治っていく)
STEP6
上の抜歯スペースも下の抜歯スペースも完全に閉じて出っ歯も治る
STEP7
一番太いワイヤーを入れて細かい問題点をコントロールしてフィニッシングし(噛み込ませ)ていく。
FINISH
上下にワイヤーが通ったまま裏側の型を取り、石膏模型上で永久固定装置のワイヤーを曲げる
曲げたワイヤー(三つ網になったワイヤーで接着剤が入り込んで歯が動きにくくなっている)を裏の歯面に接着していく
その後、外側の装置を撤去していき、撤去後、リテーナー(取り外しタイプの固定装置)の型を取り、そうち作成後リテーナーの使用を開始して動的治療(歯を動かす治療)で失った骨の再生を待つ。
歯の固定(矯正学では保定と呼ぶ)を開始する。
リテーナーの使用時間は固定開始後半年後を境に減らしていって構わないが、苦労して手に入れた素晴らしい歯並びを絶対に崩したくない!と思う人は、寝る時使用(6~8時間)は極力長く(年数を問わず)続けたほうが良い!!! あまりサボると歯が動いて入らなくなっちゃうから~マジで。そのとき後悔しても、時既に遅し!再治療が待っている。