矯正歯科専門医のバイブル(聖書)

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斬新な発想で世界から賞賛を浴びた近藤悦子先生の著書

個人的にお話をしたときの写真

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学会に行っても、いろんな矯正装置が氾濫してて、みな矯正装置による治療に固執し過ぎてる(装置のことばかり考えている)感がある。矯正専門医ならば矯正装置を用いて歯並びを治す力を持っているのは当然のことで、もっと大切なのは歯を取り巻く環境のことまでしっかりと考えながら治療することであり、その重要性を教えてくれた方である。

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舌は呼吸機能、咀嚼、嚥下機能を営むのに不可欠であり、さらに歯列弓、歯槽弓の形態に大きく関与している。そして、舌と口唇との力のバランスは前歯の歯軸に影響を与え、アンバランスであれば上下顎の切歯軸(前歯の傾き)が異常となり、開咬(前歯接触せず開いている咬合状態)、叢生(乱杭歯凸凹)などを誘発する。また、舌と咀嚼筋との力のバランスは臼歯の歯軸に影響を与え、歯列弓、歯槽弓の形態にも大きく関与する。

舌の動きは、舌房の広さおよび呼吸様式と密接な関係がある。

たとえば、舌の行動を防げず、気道が確保された広さの舌房(安定した歯列弓、歯列弓形態)が形成されていれば、口唇を閉じて行う鼻呼吸が確立されやすい。しかし、舌房が狭ければ、気道を確保するために舌突出癖が誘発され、前歯部開咬、歯列弓、歯槽弓の狭窄、咀嚼筋活動の低下が起こり、臼歯部咬合高径(噛み合わせの高さ)の増加、下顎の後方回転などを生じ、咬合に影響を及ぼす。

舌と口唇の力がアンバランスなケース

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口呼吸の患者さんの多くは舌房が狭く、気道確保のため舌の突出癖を有し、上下口唇は弛緩している。このため、口腔内外からの力のアンバランスが生じ、上下顎切歯(前歯)の唇側傾斜と前歯部開咬、臼歯部交叉咬合(上が狭く下の歯列は広いと起こる)が惹起されている。

舌筋

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前歯は、舌と口唇とのバランスによって、その歯軸が決定される。

臼歯は、舌、咀嚼筋、とのバランスに影響される。舌背(舌の腹の部分)が口蓋に達していないと、上顎歯列弓、歯槽弓は狭窄する。

鼻呼吸は咬合の改善と術後の安定の鍵である

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舌房が狭窄してる患者さんは、気道を確保するために舌の突出癖、口呼吸などの悪習慣を有していることが多く、舌癖や口呼吸は不正咬合を惹起したり憎悪させるとともに、咀嚼、嚥下、発音に悪影響を及ぼす。したがって、気道を確保することができる広さの舌房を形成し、舌癖の排除と口唇を閉鎖して行う鼻呼吸を確立することは、咬合を改善する上で必須条件である。

具体的には次のようなことを実施する。

1、可撤式拡大床、拡大気味のアーチワイヤー、舌の挙上訓練などにより、上下歯列弓、歯槽弓の形態修正を行い、舌房を拡大する。

2、口唇を閉鎖して行う鼻呼吸のトレーニングを指導する。

3、短小な舌小帯を有する場合は形成術を行い、舌の挙上訓練を容易にさせる。

4、ガムの咀嚼や口唇のトレーニングなどを指導し、舌と口腔周囲筋、咀嚼筋の内外からの力のバランスを整える。

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左の写真は、舌骨が下方にある、舌が口蓋に達していないことが解る。気道確保のため舌は前方位をとり、下顎切歯(前歯)を唇側傾斜させ、口呼吸していることが推測できる。そのため、口唇と首のプロファイルの不調和が起こっている。

右の写真は、舌骨が上方に移動し、舌が口蓋に達していることが解る。口蓋が閉鎖して行う鼻呼吸が確立され、良好な上下顎切歯(前歯)軸、調和のとれた口唇と首のプロファイルが形成されている。

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左の写真は、舌背(舌の腹の部分)が口蓋に達していないため、上顎歯列弓、歯槽弓は狭窄し、臼歯は交叉咬合になっている。

右の写真は、上顎歯列弓、歯槽弓の形態修正により舌房が拡大され、舌背(舌ぼ腹の部分)が口蓋に達し、臼歯の交叉咬合が改善された。

Muscle Wins!(筋肉は歯列や歯槽骨より強く影響力がある!)

筋肉に影響を与える呼吸(鼻呼吸)に細心の注意を払いながら、舌および咀嚼筋の機能を生かした治療をして、はじめて治療が円滑に進み、術後の安定は得られるのである。

本日の夜間診療風景

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術後管理を行っているところ

術後管理内容

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1、ぺリオテストを用いた歯槽骨の再生状況のチェック異常があれば原因の探求

2、スリムマウスピース(口輪筋トレーニング装置)使用状況確認、その他のMFT指導

3、BHC(ビューティーヘルスチェッカー)による口唇圧測定、舌位の確認及び指導

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4、リテーナー適合確認壊れていれば修理(適合不良はリベースすることもあり)

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5、FIX(永久固定装置)の状況確認壊れていれば修理(再FIX作業)

6、FIX周りのスケーリング及びCチェック

7、咬合チェック

8、スマイルトレーニングの状況確認

9、スマイルスケールを用いて口角の上がり具合を計測及び指導

など、当院では矯正治療の動的治療の術後管理に上記の内容他を1時間ぐらいかけて行っている。

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右に置いてある装置がぺリオテスト、患者さんの足元に顔を覗かせているのが、患者さんがディズニーシーで50分並んで買って手作りの洋服まで着せてプレゼントしてくれたシェリーメイ。(^_^;)

ニコニコ

時期をずらしてダッフィーもプレゼントしてくれた。

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ビックリマーク

いっかいの歯医者を結婚式に招待してくれたり、こういったプレゼントをしてくれたり、他にも患者さんから いろんな思いやりを持って接して頂く時、それから、立派に成長していく姿を見る時、そして何より患者さんの心からの素敵な笑顔を見る時 この上ない喜びと幸せを感じます。やはり、いつ見ても矯正治療で綺麗になった歯並びが作り出す笑顔は最高です このかけがえのない笑顔がこれからの皆様の人生に少しでも貢献できればと心より願ってやみません。

歯

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