キシリトールについて

近年、ガムの甘味料と言えば「キシリトール」が常識になりました。現在、甘味料でガムを分類すると、シュガーレスが8割を占め、そのうちの9割がキシリトール配合です。いいかえれば、市場に出回っているガムの約7割がキシリトール入りというわけです。

そもそも キシリトールは、サンタクロースとムーミンを生んだフィンランドで育まれました。森と湖に恵まれた北欧の地に生育した白樺(しらかば)や樫(かし)の木の成分からつくり出された物質です。

この天然素材の甘味料であるキシリトールは、砂糖とほぼ同じ甘さでありながらカロリーは25%も低く、口の中で唾液に溶けるときに熱を吸うことから、独特の清涼感があります。しかも、虫歯の原因になるミュータンス菌の活性を妨げる効果があることから、長い時間口内にとどまるガムの甘味料として劇的な出会いを果たしたのです。

キシリトールは白樺や樫の木から作られる特殊なものかというと、実はそうではありません。イチゴやバナナなどの果物や、ほうれん草やにんじんなどの野菜にも含まれています。人間の体内でも、肝臓で生産されているのだとか。そのことから、WHO(世界保健機関)や米国のFAO(国連食糧農業機関)では、「1日の許容摂取量を限定しない」最も安全性の高い食品であると太鼓判を押してます。

ドイツで発見されて結晶化に成功。フィンランドがその特徴にいち早く目をつけ、医薬品として世界に広がったキシリトール。今では食品添加物として、私達にさわやかな甘みを提供してくれています。

キシリトールがこれほど急速に普及したのには訳があります。それはフィンランドのトゥルク大学での研究で、キシリトールが虫歯の原因にならないことが発見されたから。

フィンランドではかつて、国民の虫歯発生率が世界水準よりもはるかに高く、その膨大な医療費に頭を抱えていました。虫歯を減らすために歯科大学をつくって歯科医を増やし、治療にあたったけれども なかなか虫歯患者が減らなかったとか。

そこで発想を変え、虫歯を治すのではなく、虫歯にならないようにする予防歯科に方向を転換。そんな時、キシリトールには虫歯の原因となるミュータンス菌による糖の発酵を抑えるとともに、ミュータンス菌そのものを弱らせる働きがあることがわかり、キシリトール入りのガムを開発して食後に噛む習慣を根付かせました。これが予想以上に功を奏し、フィンランド国民の虫歯発生率は激減したのです。

さらに、歯は1度虫歯になると元には戻らないものと考えられてきましたが、初期の虫歯であれば、キシリトールが健康な歯への再生(歯の再石灰化)を促すこともわかっています。

日本でも、厚生労働省の調査によると、児童の虫歯の発生率がここ10年ほどで大幅に減少しているといいます。その背景には、生活習慣の改善や予防歯科の考え方の定着、フッ素配合歯磨きやキシリトールガムの普及などがあるといえそうです。

ガムを噛んでいると虫歯になると叱られたのも、今は昔。虫歯を予防するためにガムを噛むのが現代の常識なのです。

                  

食べ方

キシリトールをたべるなら、毎日、ガムを4~5回に分けて食べるといいでしょう。特に食後が良いと言われています。

虫歯のリスクが大きい場合は、1日12グラム(約18粒)。それほど心配でない場合は1日6グラム(約9粒)が目安。キシリトールの効果は、虫歯になりやすい人ほど有効。食事が不規則だったり、遺伝的に虫歯になりやすい人には、美味しくて手軽に取り組める虫歯予防法となるでしょう。
とはいえ、キシリトールをとるだけで虫歯を完全に防ぐことはできません。あくまでも「追加型」の予防法としてとらえて下さい。虫歯を防ぐには、まず正しい食生活と生活習慣を心がけることが大切です。

表情筋を鍛えるのに不可欠なガムとはいえ、虫歯になっては意味がありません。そういう意味で、キシリトールの出現は昔できなかったトレーニングが可能になった点で、その存在価値は大きいと言えます。

選び方

キシリトールガムには、市販品と歯科医院販売品があります。

市販品は いつでもどこでも手軽に買えるのが大きなメリット。製品の種類も豊富なので、好みのものを自由に選ぶことができます。また、市販品は包装が小さく価格も安いのですが、キシリトール含有量やガム1粒(枚)当たりの単価を比較すると、歯科医院販売品よりも割高です。このような違いはありますが、キシリトールガムを選ぶ上で1番大切なことは、どれだけ長く使用を続けられるかということです。ヨーロッパ諸国の歯科医師会推薦基準には、「キシリトール配合50%以上」があげられています。この基準に合う製品を選んで長期間使用することを心がけて下さい。またキシリトール入りガムを選ぶときには「シュガーレス」の表示があることを確かめて下さい。

表情筋(舌のトレーニングも含めて)トレーニングにガムを使用する場合、ガムのかたさも重要になりますので、個人的見解としては、「クロレッツ」がオススメかと思います。ガムを用いたトレーニング法は既にブログに記載済みですが、必ず片噛みせずに、左右で噛む回数を決めて、左右均等に噛むことを忘れないで下さいね

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